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第65回 👨👩👧『今年度初めての参観日』👨👩👦 鳥取みどり園 副園長 山本 裕美
新年度が始まって、3ヶ月。みどり園では今年度初めての参観日がありました。
すっかりコロナ禍も明け人数制限のない参観日の開催ということもあり、平日にもかかわらず、たくさんの保護者の方々、日頃お世話になっている地域の方々に参加していただけました。私が驚いたのは1家庭につき2~3人のご家族で来られている家庭が本当に多かったことです。それだけ、我が子の園での様子が見たいと思われている方々が多いと感じました。さて、参観日の様子ですが、3歳以上児クラスでは、週2日取り組んでいる、体操・マラソンを参観して頂きました。身体作りのために始めた体操とマラソン。沢山の保護者の方々を目の前にドキドキしながら、「先生より早く走る!」「最後まで走るよ!」とはりきっていました。一緒に走る保育教諭も子どもたちと必死になって走ります。昨年よりも、走るスピードが速くなったり、走る距離が長くなったり、成長が感じられたようです。そしてなにより、保護者の方の「がんばれー」の応援の声が暖かかったです。
3歳未満児クラスでは、ふれあい遊びやリトミックの様子を見て頂きました。お家の方の姿を見て、涙してしまう子どもたちもいましたが、ふれあい遊びの中でたくさん抱っこしてもらって、楽しい時間ともに笑顔も見られました。
私は、昨年度までは、クラス担任だったので他のクラスの様子を感じる余裕はありませんでしたが、今年度からクラス担任から離れ副園長となり、参観日では全クラスを見る機会ができました。いつもと違った雰囲気でたくさんの保護者の方々に戸惑い緊張している子、泣いてしまう子、はりきっている子、それぞれでしたが笑顔で楽しむ子どもたちの姿が見られました。保護者の方にとっても保育参観は普段の園での様子を知ることができる唯一の機会といえます。子どもたちの普段の様子は連絡帳や送迎時の保育教諭との短い時間での話でしか知ることはできません。実際の我が子の様子を自分の目で見て、我が子がどのように過ごしているかを知ることは保護者の方にとって大きな安心感につながります。安心感は信頼感にも変わります。今後も安心と信頼を大切ににしながら、職員一同、日々をすすめていきたいと思います。
2024.06.28
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第64回 🌿『今年も感謝の気持ちで歩みます』🌿 社会福祉法人鳥取こども学園 副理事長 田中 佳代子
令和6年度も早1ヶ月過ぎ、ゴールデンウイークを後に皆様がリセットされている時かと思います。子どもたちが生活している我園では、学校が休みの時の方が忙しく、いかに有意義に過ごすか子どもと一緒に頭を悩ませます。家で過ごせる子どもは、わずかであるだけに、悲観的にならないように普段出来ないことをいっぱいして、子どもも大人も楽しい思い出作りをします。ゴールデンウイークが終わると安定した生活を目指し、それぞれの励みが出来るように子どもひとり一人に寄り添い続けます。私自身は、直接処遇から離れ、応援隊としての営みをさせていただいていますが、毎年繰り返された子どもたちとの感動の1コマ1コマが大切な財産で、繋がり続けている学園出身者たちに活力を補充してもらっていることに感謝する日々を過ごしています。
なによりも私自身が、人として成長させていただいてきたこの法人に感謝するとともに、生い立ちや境遇を乗り越えて自分らしくと懸命に生きている子どもたちや出身者・保護者・利用者、その方々に懸命に寄り添っている職員の姿に日々感銘を受けながら働かせていただけていることは、とてつもなく幸せなことと感じています。人と関わらせていただいているからこそ心に響きを感じる世界です。(創立百周年 記念式典で挨拶 藤野興一園長)
その陰には、ともに歩んでくださいました(私の入職は藤野興一会長が学園に戻り勤められた半年後で同士と呼んでくださいました)今は亡き藤野興一会長(令和5年9月10日召天)の存在なくしては、今の私はいなかったと常々思います。
今も私の中で、藤野興一会長の社会的養護(キリスト教社会福祉事業)に対する意気込みを語る言葉の数々が鮮明に蘇ってきます。どこでも、誰にでも同じ話を何度も何度もされ、それを自ら実践してこられたエネルギーと信念は並ではありませんでした。藤野会長は巳年でしたから執念深かったのかもしれません(笑)が、一度こうと思ったら決してあきらめない。「こどものためなら火付け、強盗、殺人以外は何でもしろ」「制度がなければ創れば良い」「お金は後からついてくる」(お金についてはいつも火の車で、事務はずいぶん苦労させられてきました)「目に見えるものより目に見えないものを大切にしろ」養育についての数々の名言です。子どもも職員も一つの家族として、一人ひとりに大切に寄り添われた藤野会長の想いは、ともに歩んできた職員に宿り、今も生き続けています。私は多くのことを学ばせていただいたのですが、『この心を大切にしたい』と思わされた事があります。それは、我が園の子どもだけが守られたら良いという狭い考えではなく、まずは鳥取県内の子どもたちが同じ目線で守られるようよう、県内児童養護施設に働きかけられたこと、他園で難題が発生すれば我が事のように手を尽くされた働きを間近で見させていただきました。その想いは、全国の子どもたちへの想いに繋がり、全国児童養護施設協議会の会長へと歩まれ、多くの改革を実践されました。数々の病に冒されながら、わが身を案じる暇もなく動かれた魂は、神に生かされた人と思わざるをえなかった方でした。『自分だけ良ければ良いではなく、全ての人が大切にされること』これが、藤野会長から学んだ生き方です。(言うは易し、行うは難しで、なかなかそのように生きるのは難しいのですが)藤野会長の告別式には大勢の出身者や旧職員・関係者が集まりました。その後も、「告別式に来られなかったから」と来園する多くの出身者は後を絶ちませんでした。この連休も墓参りに県外から訪れた出身者もいます。私だけでなく、多くの人びとが藤野会長に想いを寄せています。キリスト教では、死は永遠の命を意味し、今もわたしたちの周りで生き続け、その理念と継承を見守っておられるでしょう。(令和5年6月 藤野会長室で)
若いときほどエネルギーも頭も回らなくなっている私ですが、今年度も地域の方々やたくさんの支援者に支えられている法人で過ごさせていただける事に感謝して歩みたいと思います。
たくさんの事業をさせていただいている法人ですので、行き届かないこともあろうと思います。どうぞ、皆様のお声も届けていただいて、ご指導ご助言を賜りながら、皆で育ち合いたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
2024.05.15
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第63回 🌸『みんなちがって、みんないい』🌷 鳥取こども学園乳児部院長 兼 とりっこらんど所長 竹中 成代
鳥取こども学園乳児部では、Amazonの「乳児院支援プログラム」に2023年11月1日より参加しております。
学園前土手の桜の花も満開の中、新年度がスタートしました。
令和6年4月1日、児童福祉法改正施行により里親支援センターが児童福祉施設として位置づけられ、新たに里親支援センター「里親家庭サポートセンターいろは」を開設、一般社団法人ひだまりが行っていた「退所児童等アフターケア事業ひだまり」が「社会的養護自立支援拠点事業所ひだまり」と変わり、より支援の幅が広がりました。
また、ショートステイ・トワイライトステイ・レスパイト・一時保護等を、これまでは児童養護施設鳥取こども学園「すみれホーム」と、乳児院鳥取こども学園乳児部「チームさくらんぼ」で3歳以上と3歳未満に分けてお預かりしてきましたが、この2つを統合し「一時養育ホームはちみつ」として生まれ変わりました。乳児から学齢期のお子さんを、昨年改修した地域棟の同じフロアーにてお預かりします。いつ来ても知っている同じ場所で、また、兄弟が離れることなく一緒に過ごせるようになったことで、お子さんにとっても保護者さんにとっても安心して利用してもらえるのではないかと感じています。特に乳幼児の場合は誰かの手に委ねられなければ命の危険があります。緊急を要する保護にも対応可能な「一時養育ホームはちみつ」の役割はおおいに期待されるものと思います。さて、昨年度受講した企業主導型保育事業施設長研修の『子どもの発達の理解~配慮を必要とする子どもへの対応・インクルーシブ保育を踏まえて~』の科目の中で、講師の一般社団法人チャイルドフッド・ラボ代表理事である藤原里美氏が「みんなちがって、みんないい」と繰り返し講話されました。20年ほど前に私が所属していた保育所鳥取みどり園(現在の認定こども園鳥取みどり園)の当時の園長(入江園長)が同じように「みんなちがって、みんないい」とよく話されていたことを、懐かしさと同時に思い出しました。
『私と小鳥と鈴と』
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面を速く走れない。私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように、
たくさんな唄は知らないよ。鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。幻の童謡詩人と呼ばれた金子みすゞの詩です。「詩のはじまりは、神さまへのおいのりだった」と『詩のはなし』(せん聖歌・文より)に記されているそうです。 この詩を読むと、救われた気持ちになります。金子みすずの純粋で大きな愛が、尊い気づきを与えてくれます。お互いの違いを認め合い、違いを生かして、より豊かな生活を送るためには、大きな『愛』が必要です。
社会福祉法人鳥取こども学園のキリスト教精神にもとづく基本理念も『愛』(一人ひとりを大切にする)です。これまで大切にしてきたことをこれからも大切にして歩みを続けていきたいと思います。新年度を迎え心新たに、子どもたち、利用者さんたちの生活が安全で安心なものであるよう願い祈りながら努めてまいります。
引き続き、ご理解・ご支援・ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします。
2024.04.18