希望館改築 打ち上げ(館長記) | 社会福祉法人 鳥取こども学園社会福祉法人 鳥取こども学園

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希望館改築 打ち上げ(館長記)

 希望館改築工事が終わって、しばらく経ちましたが 改築に携わってくださった工事関係者の方と希望館職員の打ち上げを開催しました。

 出会った順番にご紹介をします。
 私達は、2013年8月にプロポーザルによる設計募集をしました。募集前に法人関係者で検討したのですが、誰もどうやってプロポーザル募集をすればよいのか分からなかったのです。あちこち尋ねてみたら一般社団法人鳥取県建築士会
に相談してみてはどうか」と助言をいただいて、いきなり電話をかけてみました。
 たまたま建築士会事務所にいらしゃった 森本会長(写真左)に相談することができました。
 森本会長と電話でお話をすると 森本会長が学園と同じ町内に住んでいらっしゃることがわかり、全面的な御協力をいただくこととなりました。

鳥取県建築士会 森本会長


  プロポーザルで最も困難なことは、「改築条件書」の作成でした。私達が2011年から取り組んできた 職員チームによるプロジェクトの結果を条件書にうまく反映できなければ、期待と違った建物が完成するのです。この最大の難関をみごとに乗り切った大きな力となってくださったのが鳥取県建築士会森本会長です。その人柄と共に取りかかったことには、一歩も譲らない姿勢は学ぶものがありました。森本会長との出会いは、とても幸運なことでした。ありがとうございます。
希望館改築設計与条件書(PDF)

  設計プロポーザル(企画提案競技)は、真夏の8月に公開で実施されました。(その様子は、鳥取情報ネットに掲載されました。)。民間法人が公開プロポーザルで設計企画を募集するのは、珍しいことのようです。今になって思うのですが、プロポーザル方式募集の成功は、設計の条件書を作成できるかどうかで決まるのだということを感じています。

 プロポーザルでは、3社の応募が有り、いずれも素晴らしい提案で評価委員も苦慮しましたが協議の結果、「(株)山下設計工房」の提案が採用されました。プレゼンテーションをされた山根設計士は、子どもの成長や施設のことなどを事前に調べられたようで、「子ども達や職員の生活のしやすさ」を強調されました。山根設計士と学園職員の長いお付き合いが始まったのですが、山根設計士は打ち合わせの度に職員の意見を受け止め「どうやったら実現できるのか」を検討し、何度も設計書を書き換えてくださったのはとてもありがたいことでした。

 山下設計工房 山根建築士

 山根設計士との度重なる協議・検討の結果で設計図が完成し、その後 工事入札となりました。たくさんの業者の中で株式会社藤原組が落札。ここから現場監督の荻原さんとのお付き合いが始まります。総事業費約2億6千万円の内、ほとんどは建築工事費です。価格が安いほど法人としては、都合が良いのですが 「安くても悪いもの」では困ります。希望館職員も少し心配したのですが、打ち上げの時に裏話を聞くことができました。
 設計士の山根さんは、「藤原組は、実績のあるいい会社だ」。「この入札価格は藤原組が勝負をかけてきたのか?」と信頼と不安と安心がよぎったとのこと。一方、藤原組の荻原さんは「入札価格の積算をしたのは、私でちゃんと利益がでるようにしましたから大丈夫です」とのこと。荻原さんは、最近は学校の改築を連続して担当されたようですが、学校と違い子ども達が生活する建物を担当するのは初めてとのこと。

 職員の方からは、「とてもよく働く職人さんばかりだった。」「子ども達が感心して憧れのまなざしで見ていた」など、工事中の話があり、山根さんも荻原さんもとても満足そうな笑顔を見せてくださいました。

藤原組 現場監督 荻原さん

 打ち上げでは、ここに書き切れないほどの 現場と設計士の方々の工夫が披露されました。皆さんが口をそろえておっしゃるのは、「小舎制養護建築のモデルケースとなる」とのことです。山根設計士さんと希望館の職員が力を合わせて、本年度の鳥取養育研究所研究発表大会、鳥取県福祉研究学会で発表することを誓いました。また、機会があれば全国に発信して行きたいと願っています。

 2011年に始まった私達のプロジェクトは、森本さん 山根さん 荻原さん その他 たくさんの方々との出会いのお陰で形になり 子ども達の笑顔と成長で大成功となりました。3人の皆様に改めて感謝を申し上げます。ありがとうございました。

希望館 館長 西井啓二


2015.07.10