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里親支援とっとりブログ

5つのワーキンググループ② 制度の周知2

里親支援とっとり 所長 遠藤 信彦

 鳥取県では、里親への委託をよりいっそう推進するため、里親と施設、児童相談所の三位一体で、5つに分かれて考えるワーキンググループを作りました。グループの取り組みをシリーズで書きたいと思います。

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 さまざまな事情で、自分の家庭で暮らすことのできない子どもは、地域において家庭的な雰囲気の中で育つことが望まれます。里親家庭はその最たるものです。家庭での暮らしには、子どもの育ちにおいて、さまざまなメリットがあります。

 しかし、公的な子育てを、地域のひと家庭において行うことには、課題もあります。

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(5つのワーキンググループ② 制度の周知1 の続きです)

 鳥取県内のさまざまな集まりで里親制度の話をしていますが、講義を聞いた方から「もっと暗いもの、触れてはいけない話題だと思っていた」といった感想を聞くことがあります。このようなイメージが想起される理由のひとつに、日本の歴史的事実があると言われています。

  第二次世界大戦前の、日本がとても苦しかった時代、人間は労働力としてしか評価されませんでした。例えば凶作の年に、農村の子どもが米俵一俵とひきかえに働き手として連れていかれるということがありました。例えば困窮した漁村で、家庭が崩壊し行き場の無い子どもが遠縁の家に身を寄せて下働きとして暮らすといったこともありました。昭和22年の児童福祉法制定まで、保護が必要な子どもを家庭で預かることは、民間の慣習として行われていました。おおむねが善意による取り組みでしたが、中には負の要素を持つ預かりもあったのです。このことの印象が、いまだに根強く残っていると言われています。

 ある現代ドラマで、里子となる予定の子どもが里親のラーメン店を手伝っていたところ、店が忙しいさなかに家出してしまうというシーンがあり、見ていてドキッとしました。しかし、お手伝いが辛かったのではないかというこちらの読みに反して、家出の理由は『お父さんお母さんと呼べない』というものでした。子どもは、里親から『お父さんお母さんと呼んでいいからね』と言われたのに、心の整理がつかず、まだ呼ぶことができないことを悩んでいたのです。それを聞いた里親は『お父さんお母さんと呼んでいいよなんて、無神経なことを言ってしまってごめんなさいね。呼び方なんてなんでもいい、ゆっくりでいい、何年かかってもいいから家族になりたいと思っているの』と、泣いて謝る子どもをぎゅっと抱きしめ、見ているこちらもホッとしました。

 敗戦直後の昭和22年、復興に向けて歩みだした日本は、未来をになう全ての子どもを守り、すこやかに育てる誓いを込めて、児童福祉法を制定しました。子どもの最善の利益を、子どもとともに追求することがテーマです。この法律にもとづき、里親制度は運営されています。このことを、正しく知ってもらう必要があります。

 

(5つのワーキンググループ② 制度の周知3 に続きます)

(この文章は、鳥取こども学園発行学園だより52号の原文です)

 


2023.01.26