引っ越しに想う | 社会福祉法人 鳥取こども学園社会福祉法人 鳥取こども学園

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里親支援とっとりブログ

引っ越しに想う

里親支援とっとり 所長 遠藤 信彦

 

 10年近く、鳥取こども学園本部敷地の『教育棟』という建物の、外来相談・通所部門である1階にデスクを置かせてもらっていましたが、このたび、本部事務所がある『本館・管理棟』の2階の一室にデスクが移動しました。関係者のみなさまにあっては、ご用がおありの際は、『本館・管理棟』を訪ねてくださいますようお願いします。また、ファックス番号のみ変わりましたので、下記連絡先についてご承知くださいますようお願いします。

 おおむね22年くらい、この法人につとめていて、9回目くらいの引っ越しです。新しい建物、新しいお部屋、これまで見知った仲とはいっても、新しいご近所の職員さん方などなど、新しい環境に慣れるのには、まだ時間がかかりそうです。50歳が近くなり、変化に対して何でもフレッシュに、わくわくして受け止める、というわけには、もういかなくなりました。

 今日でようやく、最低限の業務を行うことができる体制が整いました。引っ越しが一度に済まず、元のデスクと新しいデスクを行ったりきたりしていましたので、何度も『あれがない!これがない?あれはどこへやった!?』ということが多く、気持ちもあたまもとっちらかってしまったのですが、そんな時に救ってくれたのが、ノートパソコンのデスクトップと、マザーテレサのカレンダーと、故池田里父手作りの、和紙細工の小物でした。ノートパソコンは、どこで開いても整然と、作業中の文書が同じ位置にあり、ほっとします。複数の部署をまたがって勤務している上司や主任たちが、小さなパソコンを持ち歩いているのはこういう理由だったのですね。また、テレサのカレンダーを定位置に置き、日めくりして今日のことばを読むと、これまでと変わらない気分で仕事を始めることができます。また、和紙細工の小物をみると、どやしつけてくれて、励ましてくれた故里父の想い出に浸ることができます。

 引っ越しに際して、フォスタリングチェンジプログラムのセッションのひとつ『生活の場所が移る子どもの気持ちを理解する』が思い起こされました。このセッションでは、子どもが家から持ってきた物は、それがどれだけボロボロの人形だろうと大事に扱いましょう、それが子どもにとってどれだけ大事なものかは、里親には推し量ることはできないからです、里親と子どもが一緒に過ごした楽しい時間や、子どもの成長の記録を、極力、写真やビデオに残しましょう、そして、子どもが家に戻るときには、子どもが家から持ってきたものと、里親の家で暮らし、育った記録を丁寧に整理して荷造りし、渡しましょう、といったような内容を扱います。

 これらのこころえとは真逆の『想い出をぞんざいに扱われる』ことを体験する、というワークもあります。プログラム参加者が一番大事にしているもの(例:想い出の腕時計とか家族の写真とか、表彰状とか手帳とか)を、決して汚したり壊したりはしないのですが、進行役が乱雑に(フリですが)ぞんざいに扱い(なんと黒いゴミ袋に入れてほったらかすのです!)忘れ去る(フリをする)のです。このワークはとても評判が悪く、参加者の中には、泣き出したり、怒ったりする方もあるそうです。ぼく自身も、このワークを体験したときは、悲しく、わびしく、ポカンとした気持ちになりました。ひょっとしたら、ぼくもホーム勤務のとき、子どもたちをこんな気持ちにさせていたかもしれません。

 自分が大事にしているものを、今一度大事に見かえして気持ちをととのえ、またすぐスムーズに、業務をすすめることができるようつとめていきます。

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2021.02.10