4月ですが、初夏の曲紹介
寒い寒いと言っていた日々が嘘のようで、今年の春は暖かいというよりむしろ暑い日が続いています。先日などは暖気に惑わされ夏の虫が鳴いていました。そんな天候の折、今とても気に入っている初夏の歌を紹介します。
ヨルシカ、というバンドの「花に亡霊」という曲です。このバンドは、透明感と力強さを兼ね備えた女性ボーカルが緻密で文学的な歌詞を歌い上げます。例にもれずこの曲の詞も、
今だけ顔も失くして言葉も全部忘れて
君は笑ってる 夏を待っている僕ら亡霊だ
と、不思議な趣きがあります。亡霊、が何を指しているのかは、作中では明らかにされません。歌は最後、
浅い呼吸をする 汗を拭って夏めく
と締めくくります。呼吸が浅いのは、一生懸命走っているのか、焦りを感じているのか、何かしら、今を精一杯生きているようです。音数少なく透き通った伴奏の上で、野太いエレキギターが情感溢れるフレーズを紡ぎます。亡霊だ、と言いながら、詞にも演奏にも生き生きとした実在感があります。なにものでもなくて、それでも何かになろうともがいていた自分の青春時代の夏を思い出してきゅんとします。
ぼくはYOUTUBEで視聴しています。4年前の曲ですが、コメント欄をみると同窓会のように、夏が来ると視聴に帰ってくる人達がいるようです。
興味が沸かれましたら是非聞いてみてください。
2025.05.02