「だだくさ」な、わし | 社会福祉法人 鳥取こども学園

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希望館ブログ

「だだくさ」な、わし

 希望館 女子ブロック長 副館長  水野壮一

 みなさんは、「だだくさ」という言葉をご存じですか?
 わしの故郷名古屋の方言で「雑、しまりのない、だらしない」という意味です。
 だだくさ…一度そっと声に出して呟いてみてください。これほど語感と意味がマッチする言葉はなかなかありません。もし、意味を知らなくても、確実に褒め言葉でないことは伝わる破壊力です。

 さて、わしは幼少期から両親や保育園・学校の先生から事あるごとに「壮一は、本当にだだくさだ」と言われて育ちました。恋心を寄せていたクラスの女子がわしの図工の作品を見て「すごく、だだくさだね」と苦笑いした記憶もあります。故郷でのわしのパブリックイメージ?は、The DADAKUSAと言っても過言ではありません。
(なぜかローマ字表記するとちょっとカッコイイ感じになることを、たった今発見した)
「だだくさ」という呪いの方言が無い鳥取で生活するようになって25年。言葉から解放されましたが、だからといってわしのだだくさが改善されたというわけではありません。

自己分析では「手先が致命的に不器用なうえ、注意力が散漫で丁寧さを欠く」ことが、だだくさの主成分だと思われます。
以下はその具体例・・・
●折り紙ができません。紙の角と角、辺と辺を合わせずに折ろうとするし、谷折りと山折りを気にしないからです。
●ジグソーパズルが嫌いです。根気がなく、ビースとピースを強引に嵌めて叱られます。
●絵の具で人物を描くと、塗った肌色の絵具が乾かないうちに目(黒色)や口(赤色)を塗ってしまい、不気味に赤黒く滲んだ顔面の人物が量産されます。
●先日、結婚記念日に妻に言われた言葉は、「いつになったら靴下を裏返しのまま洗濯に出さなくなるのか?」という問題提起でした。早くお風呂に入りたくて、脱いだ靴下を表にする手順を飛ばしてしまうのです。もう49歳なのに(泣)

 最も苦手にしているのは草取り(除草作業)です。一本ずつ丁寧に抜かず、あちらこちらの目についた「抜きやすそうな」雑草ばかりを抜くので、地面がきれいに表出したことはありません。また、丁寧さに欠けるので、ほとんどの雑草が根から抜けず、葉っぱだけが軍手の中に残るありさま。おひたしにして食べたい衝動にかられます。
 先日、希望館の中庭を希望館のスタッフと子ども達で除草作業しました。わしも参加しましたが、自分のだだくさなできばえに嫌気が差し、すぐに集中力が途切れます。ふと横に目をやると、館長もドクターもナースもセラピストも黙々と丁寧に作業しています。「ほお!医者や心理士や看護師は、さすがにだだくさじゃねえな。」と感服しつつ『でも、ここは希望館!きっとわしと同じような「だだくさ仲間」はいるはずだぁ!』と腰を伸ばして辺りを見回しました。
 ショック!わし以外、大人も子どももみんな丁寧に草を抜いていました。さすが希望館…一人一人がそれぞれのスタイルでコツコツと取り組んでいます。おかげで中庭はすっかりきれいになりました。

       きれいな中庭。温かい日差しに癒されます

 そんなわしですが、人に対してはだだくさであってはならないと考えます。
 例えば、トランプ大統領を見ていると、政策の是非はさておき「人に対してだだくさだなぁ」と思います。また、ネットで自分の気に入らない相手を攻撃する人たちにも、誹謗中傷ではない丁寧な意見の述べ方があるだろうにと感じます。お店で店員さんに傲慢な態度を取る人を見ると、心が痛みます。

 わしは、子ども達と向き合う時には、上手くいかない悩みや迷いや悔しさを丁寧に汲み取り共有していきたい。子どもでも大人でも失敗してしまった時は、それを次に生かす糧となるように、たくさん話し合わなくてはならないと考えます。そして、何かを乗り越えた時や成長に対しては、その尊さと喜びをちゃんと伝えたいと思います。「できて当たり前」と捉えず、だだくさにしてはならない一人一人の尊い存在に寄り添っていきたい。
 まだまだ未熟なわしだけど、そんなふうに思うのです。

                     

 

 

 


2020.11.10